2020年宿泊業の倒産動向(東京商工リサーチ)
東京商工リサーチが発表した「2020年宿泊業の倒産動向」調査によると、前年比57.3%増の118件だった。
このうち、新型コロナウイルス感染拡大を要因とした倒産は55件と、全体の半数(46.6%)を占め、新型コロナ関連倒産件数トップの飲食業(16.3%)やアパレル関連(16.0%)を上回り、最も多い。
ただ、負債総額は前年比54%減の580億1200万円で、前年に400億円台の倒産が2件発生した反動減となった。
原因別では、「販売不振」が79件(前年比61.2%増)で最多となり、続いて「既往のシワ寄せ(赤字累積)」が22件(22.2%増)であった。
コロナ禍の出口が見えない政府の支援金や金融機関の緊急融資制度などで資金繰りを支えられてきた宿泊業者が、可能性も危惧される。
限られた地域と設備による装置産業の宿泊業は、業績が戻るには相当の時間を要する。
東京商工リサーチは「地域を巻き込んだ集客策と同時に、事業継続や事業転換に向けた弾力的な支援も必要だ」としている。