コロナで変化した、2021年以降の旅行トレンド予想
日本法人ブッキング・ドットコム・ジャパン株式会社は、28ヶ国に亘る2万人の旅行者から集めた調査とユーザーの検索や好みに関する所有データから得たデータを用いて導き出した、今後1年およびその後の旅行の未来について9つの予測を発表しました。
1.旅への強い欲求の高まり
ロックダウンの最中、旅行者の65%が「再び旅行するのが楽しみである」と回答し、61%が今までよりも旅行のありがたみを感じています。回答者の半分以上が、家で過ごす時間が増えたことによって、外の世界を体験したいという気持ちが高まっていることがわかります。
2. さらなる「価値提供」の重要性の増加
新型コロナウイルス感染症の経済への影響により、今後旅行者は支払った金額に対して、必然的により大きな価値を求めるようになります。旅行者の62%は「今後旅行の検索や計画を行う際に料金をより意識する」と回答しており、55%は「プロモーションや割引料金を探す可能性がより高い」と回答しています。
3. 遠方よりも、親しみのあるマイクロツーリズムの需要増加
コロナ禍によって、より手軽で安全、かつサステイナブルな傾向にある近場への旅行が目立ち始めており、近くて親しみのある場所への旅の割合が高くなることが予測されます。旅行者の47%が、「今後7~12ヶ月間には国内で旅行する予定である」と回答しています。
4. 検索による「理想の旅」を追求
これから1年の間で、旅行にまつわるコンテンツの消費や工夫を凝らした旅行の計画、お互いに理想の旅を語り合うことへの欲求が急激に増加すると予測されます。95%の旅行者が旅行のインスピレーションを探すことに時間を使っており、今後はSNSやインターネット上での画像などを使って、想像をかき立てるようなコンテンツが提供されることが考えられます。
5. 「安全」が大きなポイントに
旅行者の59%は「一部の目的地を避ける」と回答しており、70%は「観光地においてソーシャルディスタンスの措置を取ることを期待する」と回答しています。さらに「どのような健康・衛生に関するポリシーを実施しているかを明記していない限り、宿泊施設は予約しない」や「抗菌および殺菌効果のある製品を用意している宿泊施設を好む」と言う声も寄せられています。
6. 旅行での「サステイナブル」な意識の高まり
環境や地域コミュニティへのインパクトに関する意識が一層高まっていることから、2021年以降はよりエコフレンドリーな傾向が見られると予測されます。69%の回答者が「旅行業界に対して、よりサステイナブルな旅行オプションを提供すること」を求めています。地域再生のためのツーリズムを目指すべく、旅行者が支払った金額の使い道に関して旅行会社がより高い透明性を提供するよう強い要望が挙がっていることが伺えます。
7. 「ワーケーション」需要が増加の傾向に
仕事とレジャーを効率的に組み合わせた長めの旅行に出かける人が、今まで以上に増えることが考えられます。オフィスに週5日出勤するという働き方から解放され、気分転換に自宅以外の場所からリモートワークをしたいという思いから、休暇に1~2週間くっつけて旅行先からリモートワークをしたり、逆にリモートワークする場所での休暇期間を計画したりする「ワーケーション」が顕著に増えると予測されます。
8. 自然を堪能する「シンプルな旅」の魅力を再発見
また2021年以降はよりシンプルな旅行体験を楽しみたいという旅行者が増えることが予測されます。自宅で過ごす時間が長くなることで旅行の優先順位も変化し、自然を楽しみたいと願う人々が増えてきました。また調査によると、「旅行先でアウトドアや家族とのアクティビティなどシンプルな体験を楽しみたい」と回答した旅行者は69%にのぼりました。
9. 安心・手軽な旅行体験のためのテクノロジー利用が加速
旅行者の安心感を取り戻すために、今後は新たなタイプの旅行者に対応するためにさらにテクノロジー利用の加速が予測されます。とはいえ、「観光スポットや現地のツアー、ワークショップが運営するバーチャル / オンライン体験に参加したい」と回答した人が30%にしかのぼらなかったことから、やはり実際の体験が一番であると考える人が多いことがわかります。テクノロジーは、実際の体験の代わりではなく、あくまでも実際の体験につながる手段としての役割が主であると捉えています。